昨年S15 シルビアを購入してから色々な部分をカスタマイズをしていこうと計画を始め、最初に取り掛かったのが、USBポート。
こちらの部品はUBSの充電だけではなく通信も可能となっております。USBの電源として使用するのも良し、オーディオと接続して、スマートフォンと接続するためのポートとして利用するのも良しです。
このS15 シルビア用 USBポートはオフィシャルストアにて販売中です。
開発背景
純正部品を取り外し、1から設計して開発をしました。最近の車には標準的にUSBポートがついていますが、この時代の車にはありませんでした。
今やオーディオにiPhoneやAndroid端末を接続して音楽を聴く事があたりまえ。私が使用しているオーディオも、もちろんUSBポートが存在しています。
オーディオのUSBコネクタから直接Lightningケーブルを接続するのは美しさに欠ける、車両に最初からUSBポートがついているようにUSBポートを設置したい!!と考え、”純正パーツのように利用できるUSBポート”を作りました。
1.取り付け場所の選定
取り付け場所を選ぶのにはそう時間はかかりませんでした。最初に気になったのはこのコインケース。センターコンソールにありますが、自分のカーライフには不要なものでした。
またこの位置はUSBポートを設置するには丁度良いと感じました。
USBがこのコインケースにサイズに収まれば、実現は可能。とりあえずこのコインケースを測って、3D CADを使って設計してみました。
2.設計〜試作
まずは中国からUSBケーブルを取り寄せます。コンパクトで、3Dモデルと相性のいい、カクカクのデザインのものを探しました。とりあえずこれを1つ購入して、開発はスタート。
届いたUSBを使って、早速3D CADでモデリング。
コインケースの寸法チェックと、自分がこの部品の設計者だったらどのような設計をするかと想像をしながら形状を3Dに起こしていきます。出来上がったものは家にある3Dプリンタで印刷し、購入したUSBを使って試作品をつくりました。
3Dモデル 3Dプリンタで印刷した試作品 USBを使って組み立て確認
試作品の形状はバッチリで、ほとんど修正なく製造が始められそうな印象
実際にこの試作品を取り付けると、かなりいい感じです。うまくいきました!
これで自分の分はOKかもしれませんが、やはり家庭用の3Dプリンタでは精度が悪く見た目も良いとは言えません。
今回も中国で業務用の3Dプリンタを使って部品を製造することにしました。
もちろん1つだけでは勿体ないので、いくらか小ロットで量産することにしました。
3.量産
樹脂部品の量産ということで、ナイロンの粉末焼結による3Dプリントで部品を製造することにしました。
ナイロンは強度もあり、また製造方法も精度、再現性の高いので、小ロットの量産に活用しています。表面は少しマットになります。
今回は初めて黒色での製造を依頼。
出来上がったものを触ってみると、思いの外ざらざら感はなく、触り心地が良かったです。
そして、USBケーブルのの調達も並行して行いました。しかし、ここで問題が発生します・・・
試作と違うものが届く!!
確認すると、「品質を向上させたよ!」とのこと。確かに金メッキがされたり、ケーブル自体が太くなっていて、品質はUPしているのがわかります。
しかし、外形が変わっています。3Dプリント品を並行して製造していたので、これは困ったことになりました。
とりあえずものが揃ってから組めるかどうか確認。
グルーで固定
とりあえず組めました!しかし、高さが違うため、どうしてもこのポートにUSBケーブルを挿入する時ズレが起きてしまいます。その対策として裏側の隙間をグルーで固定することにしました。
これにより奥行き方向だけでなく、幅の違いによる隙間も埋める事ができ、支障なく使用する事ができるようになりました。
実際にこの部品を取り付けて1月ほど評価を行いました。
特に問題なく使用する事ができます。簡単に抜けることもありません。
しかし、部品のサイズが微妙に小さく、写真のように少し斜めに取り付けができてしまいます。
こちらに関してはセンターコンソールとの固定部にスポンジテープを巻くことで解消する事ができます。
梱包も終わり、いよいよ販売。初期ロットは39セットです。
もしこの記事を読んでいただき、よろしければお買い求めいただければと思います。